絶景/吉岡ペペロ
 
の階に着くと、みんなでひとかたまりになって互いに荷物を当て合いながら部屋をさがした。こっちこっち。こっちこっち。あった。部屋をあけた。
部屋に入ると荷物を置くみんなを尻目に、あたしは荷物を肩にかけたまま明るい光がさすおおきな窓にかけよった。海側ではなかった。町並みが見えるわけでもなかった。ホテルの別棟が視界をふさいでいた。でも見たことがない光景だった。神社みたいな森みたいな木々に囲まれたこのアパートとは段違いだ。別棟のホテルの窓が整然と夕陽に照らされていた。絶景だ。






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