秋のゆびさき/
そらの珊瑚
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生き急ぐ彼を
なでてゆく
やわらかな
ゆびさき
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