冷雨/葉leaf
の烙印を押され、大した仕事も与えられず、時々聞こえてくる噂に耐えなければならなかった。まさに、私の身の上には社会的な冷雨が降っていたのだ。
撥ねるような音をたてる冷雨を私はとても親しく感じた。それはまさに私の身の上に降っている社会的な冷雨を代わりに表現してくれているかのようだった。私は何も叫ばなくてもいい。自然が代わりに雨を降らしてくれている。私の受難も何もかも、自然が味方になってともに歌い上げてくれているのだ。私はこのまま冷雨の気候をずっと過ごしていきたいと思った。私はもう人間や社会に期待していなかった。ただ自然のみ、物言わぬ自然のみが己を黙示的に語ってくれているのだった。
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