また、雨は降っている/またたび八寸
 

洗濯物が乾かないね

などという君の唇の上にも
雨は降り続けている

僕らは夜や朝を過ごし、
時には指を結んだり
ほどいたりして、

時間の中で
同じことを繰り返しては
老いていくので

前を向かずに背泳ぎしながら
進んでいけたらいいよね、
と君に言ったら
きょとんとした顔で
お昼ご飯は素麺にする?
と聞いたので

僕は手を繋いで
空を見上げて泳いでいく僕ら
が素麺をつるつる食べるのを 
想像してしまって

だったら、玉子焼は僕が作ります、
と、答えた

僕らの上に雨が降っている


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