ハンガーストライキ/末下りょう
 
滴の血も流さず
これはじつに恥ずかしい安楽死だ

ぼくは鉄棒にぶらさがり
一つの乳酸の溜まった白バラの無名のアゲインストとしてハンガーを代弁する
スフィンクスのような顔で地面をのぞいたとき
大地の母よこんにちはと笑いかけよう
そのときはエロ本のグラビアが微笑みかけてくれるだろう
もうすぐ晩ご飯の時間だから帰ろう
裸の女のブロンズ像の乳首にハンガーをかけて帰ろう
いずれカラスの巣材になるかもしれない
しかし悲しむことはない それがレボリューションというものだ
自由、平等、博愛、
そしてぼくは明日を恐れない


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