結末まであと5分/noman
 
澄んだ水溜りの傍で
ずっと待っていた
水溜りは濁っては また
澄み
その度に違うものを映す

扉が閉まる音
近づいてくる猫の足音 どれも
聞いたことがあるような気もするし
初めて聞くようにも思える
どこか 空の 見えない 所で
向かい合って話すとしても
下を向いて吐いた息が
薄い布地の表面を滑り降り
地面で硬い音ばかりをたてるのだろう

少し先に行くとトンネルがあって
そこを抜けるとコンクリート
ブロックの破片が
笑うように転がっている
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