スキャニング/ねなぎ
 
白いテーブルクロスに
白い皿
ナイフとフォークに
サラダとワイン
ポタージュスープに
若鶏のエヒフ

ここでなければならない理由は
おそらく無いはず
地形は平坦でいて
入り組んでいる
交錯していく
裏を探るような
ワインに誤魔化されることない
配置が敷かれている

気が付いていて
あえて口に出さずに
局地化していく会話に混じる
圧倒的な感情
料理に手を伸ばすことなく
燻ったような匂いを
感じている

受信されない信号が
飛び交っている
ソナーもレーダーも無く
無線の傍受だけを
延々と続けるような
疲れ果てた日常

目の前の顔が歪み

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