カウントダウン/今日は俺の誕生日/たけし
あなたは
逝ってしまった、
三十年前の来月今日
永遠に
永遠に追いつけない
のは
だから解っている
けれど、
この願望は濃くなる
ばかり
この思いは想いは
オモイ
年老いて
すべてを失い
そうして魂は生々しく
苦痛の洗礼を浴びては
いっそう生々しく
追いかけているんだ
あなたを
〇
アナタの全貌など知らない
アナタのスキームの
白き衣の透明な一端に触れ
天を仰ぐ俺はまた
アクマの情動に憤怒に駆られ
ながら
なんとか自らの傲慢を
明け渡そうと晒そうと
ただただ足掻く
昨日朝の静謐
流れいく白雲澄み
不断に不意に臨在
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