束縛の必要性/あおい満月
されてしまうと、本当に身体が宙に浮き上がってしまうのではないのだろうか。恐怖感に私は震える。現実に縛られるのは辛いことかもしれない。
しかし、私たちは現実がないと生きていかれないのも事実だ。飲み物や食べ物、必需品を「買う」、それには「お金」を「支払う」。当たり前の道理である。そういった現実を無視に、私たちは本来生きられないのだ。
私は私を縛りつけている見えない鎖に身を委ねて文章を綴る。どこかで救急車のサイレンが響く。「生きている」という鎖を一瞬でも無視しただけで、取り返しのつかない大惨事になることもある。
本当に現実から解放される日は、死ぬときであろう。
生きるという束縛があるからこそ生み出せるものがある。私はその摂理や、理に感謝がしたい。
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