クウ/ピッピ
博愛主義者だったが
ただ一つ心から憎んでいるものがあった
それはかみさまであった
言うなれば、この窓の外の液体を齎す
ばかで
愚鈍で
智恵のないものに
あたしはそう名をつけた
4
止まない雨はないと
みんな笑顔で言うものだから
あたしはいつしか青色を無くしてしまった
きっとそれは華やかな色で
むかしはみんなそういう色だったんだ
ポケットの隅に散らばっている
似たような色の粉を
ていねいに集めたりして
あたしは笑顔を殴り続けた
彼らの呼び声の中に
あたしの名前はなかったから
5
もうあたしはあたしの辞書を持つのをやめた
あたしは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)