クウ/ピッピ
 
1

あたしは名前を持たずに創り出された
たとえ
世界中の有象無象がそうだったとしても
彼らは
他人から呼ばれる名前に安寧の場所を探し
その名前を借りて色を持つ
色即是…
その後は
何と続いたかな


2

消しては書き書いては消し
正しい言葉など存在しない
誰かは言ったそれは
聖書に書かれている言葉だと
無宗教
あたしの辞書にたくさん並べられた無の文字が
あたしの名前を否定し続けている
そうして私は適当な名前で呼ばれるのに慣れ
自分が決めた
自分の色であった
本当の名前を無くしてしまった


3

灰色な日々が続いていた
あたしは博愛
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