Rain Fall Down/ホロウ・シカエルボク
呪いのリズムで降る雨が
窓の外のリアルを囁いている
昨日よりは少しまともな頭で
昨日よりもくだらないことを考えている
なにひとつ語るべきことのなかった
今日が変更線でゼロになる前に
傘のない迂闊な数人の女たちが
けたたましい声を上げながら走り過ぎていく
彼女らはずぶ濡れで
俺はそれをここで眺めている
俺の身体には滴ひとつありはしないけれど
だから俺が彼女らより幸せかというときっとそうでもない
幸せなんて馬鹿にしか訪れないものだから
俺は人生が厭になっても
コンビニエンスストアで駄々をこねたりしない
許してくれる誰かを殺したり
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