まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)/そらの珊瑚
 
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
転がり落ちた果実は
粉々になって
肌の上にふり
つもる

やがて季節は過ぎ
流線型のつるだけが
あっけなく
女の瞳に取り残されたが
戦火を逃れてたどりついた
透明な箱から

まっすぐに
私の中の私を見ている
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