川岸/るるりら
土手を
なんなく飛び越えて 車道に登ってくる
蛙で 溢れる道を わたしも 裸足で歩く
とけてゆきそうなアスファルトに
蛙の何匹かは 干からびている
水着からしたたる水の後も わたしの心も 蛙にカエル
あるくピッチも ビチビチ跳ねる
わたしたちは、海というゲートを通過してきた、のか
わたしたちの故郷は この道の先にある海なのか
とにかく叫ばずにはいられない「アジっ アジジ」
わたしが、蛙と同じ たましいでアスファルトを飛び跳ねる と
水着から水が滴り、ぴしゃり 尾鰭のような音がした
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