ヤンマゆくよ/
ただのみきや
光と樹木が交差する
あの夏の濃い陰りを抜けて
ヤンマゆくよ
感光した記憶の傷痕なぞり
迷える樹海の鬱蒼を越えて
ヤンマゆくよ
うすい双翅に光彩を弾き
風の流れを遡り
この目が耳がまだ届かない
広々とした土地清らかな水の畔まで
ヤンマゆくよ
わたしの欠片ひとつ乗せ
ヤンマゆくよ
《ヤンマゆくよ:2015年8月30日》
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