整/りり
今一度会えるのならば、
今一度聞けるのならば、
貴方の顔を見て、
貴方の口から聞きたい。
まだ体の中には
“貴方の言葉”が幻のように響き、
ゆっくりと、ただゆっくりと
流れ、そして時に流れに逆らう。
何を伝えたいのか、
何を感じているのか、
今の私には知る由もない。
でも貴方との会話は
五月晴れのようであり、
深い雪の下に隠れたつくしが
だんだんと目を出すかのようだ。
声が聞こえなくなるのは素直に寂しい。
でもそれがどういう対象なのかは分からない。
あいまいな気持ちを、真実の泉で変えよう。
深く、深くまで潜ってみよう。
そうすれば何か分かるかもしれない。
時間がかかる。
時よ、止まれ。
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