夏の夜は孤独と共に/十一月の失敗作
 


流した血だけが尊いの
命の深さをゆっくりと描く

苦痛と快楽の間を行き来する
剃刀の使い方

濁った瞳で見た世界
求めては去っていく使い切りの愛情
どこまでも残酷な言葉

忘れたい
忘れたい

こぼれ落ちた涙が
まだあたたかい私の色に溶け込んでゆく

優しい日々に埋もれたかったと
夏を好まない傷痕が 悲しくその目を開く



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