ループする人生/たけし
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた
三歳の僕は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった
<今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら自分はこの世界で全くの一人ぼっちだ、誰も助けてくれない!>
なぜか狂ったように突然そう悟ったからだ
(実際には「親がいない」というリアル―「親がいなくなったら」という仮定ではなく―に僕は曝されていたわけだが)
その時の「孤・独感」は
単なる一時的な気分とか子供特有の依存心とは全く関係のない
絶対的・圧倒的なもの
だった
<孤・独>というモノが
そこに一つの実体
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