緑門(四)/
信天翁
卒寿のおひとりさまにあって
それは
昼さがりの うたたね でも
まどろみ でもなく
ただ 無聊に
まぶたを 閉じていたとき
隣家からもれてくる
幼児の嬌声ほど
こころやすらぐ
ひとときはない
半世紀まえの
おのれにゆりもどされて
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