あの手 この手/るるりら
か
世界の隅々を流転した雨が あがり
ある奇跡的な角度に日が差し込む
すると
わすれんぼうな私でも
わたしも おおきな存在とおなじ聖なる なにかに
あのとき 触れたのではないのか
じぶんの経験で理解できる範疇を超えた何かに 人は うちふるえることがある
すべての いきとしいける ものたちのすべてが 同時に雨にうたれて
さっばりと すべてを あたらしくさせるような何かに
言葉にしがたい 何か に
あのときのなみだは阿弥陀 私にもさしだされた何かの手が
あ る わすれてしまいそうでも わすれ
な い
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