あの手 この手/るるりら
 

世界の隅々を流転した雨が あがり
ある奇跡的な角度に日が差し込む

すると
わすれんぼうな私でも 
わたしも おおきな存在とおなじ聖なる なにかに
あのとき 触れたのではないのか


じぶんの経験で理解できる範疇を超えた何かに 人は うちふるえることがある
すべての いきとしいける ものたちのすべてが  同時に雨にうたれて
さっばりと すべてを あたらしくさせるような何かに
言葉にしがたい 何か に

あのときのなみだは阿弥陀 私にもさしだされた何かの手が
あ る  わすれてしまいそうでも わすれ
な い

戻る   Point(8)