自意識風呂敷/ただのみきや
 
物憂い季節の飴玉を
煙る眼で舐めていた

 「印象かもしれない
 塗り潰された貝のように

破れたレースの隙間から
凝らす朝が射竦める

 「人形かもしれない
 あるいは蒼 誰かに寄り添う陰影

鈍い響きが立坑から
オンオンと沸いて震えている

腐の甘い曖昧と
わたしはわたしを定義する


      
         《自意識風呂敷:2015年8月19日》




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