足跡と生きること/りゅうのあくび
裁きを待つ場所で
命を絶つことを
約束して
罪を贖う人間がいる
その人間による
真実の死によってでさえ
本当に世界の均衡なんて
保たれることは
ないのだろう
断頭台までの足跡は
ただ沈黙するだけで
巨大な災害だけじゃなく
犯罪や戦争に
備えることによっても
人間の命は
食事をして生きている
働くことが
人間本来の幸せであればこそ
人間は生きているのに
垣間見える
不幸の速度を
計算することだけだとしたら
果たして世の中を
ますます不幸にするけれども
想像だけでも
足跡は作られていく
驚くことも
できないのだけれど
どんな戦争においても
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