妄言/baby bird
 
つまるところそれは逆剥けた羆の喉元に突き立てた異臭を放ちされど眩い光を放つ閃光の中で、最善の解を未だ探し求める狩人の真似をした偽物のようでいて、されど真と振る舞う事すらも怠り、ささくれた指先に、しかし沈めた音色は鳴り止まず、妄言となり狂騒に消え果て、故に辿り着く場所さえ尚も思いつかずに、流れ行く時間を悪戯に肺に吸い込み、溢れ出る言葉は、最早音としての体も成さずに、行く宛もなく、込める仕草さえも空白、なれど妄言と成りて琥珀の、色褪せた夜に沈めた。月明かりさえも今は唯妬ましい。
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