悪魔の証明/id=5239
まだ生きている。しかし今年に入り、春辺りからどうも頭がおかしい。
朝が来て、気づくと夜になっている。
ルーチンワークな仕事だ。つまり、いつもの事をしている。
何時ごろ自分が何をしていたのか、何か失敗を犯さない限り記憶は薄れるものだろうが。
或いはいつの間にか死んでしまうのかもしれない。
最近考えている事を、いつの間にか死んでしまう前に書く。
テレビには映らない、ネットでも取り上げられることも無い、僕もあなたも知らない、
一握りが知りうるが、口に出すのは憚れる、権力者というものが居たとする。
尋ねれば富とは何だ?と問い返し、
僕とあなたを見て、「これは何だ?」と尋ねるもの。だろうか。
ひょっとして、こいつは信じているのではないか?
あらゆる英知を結集させ、ついに科学的に実証したと。
神はいない、あの世など無い、救いなんてありはしない、と。
この結果を聞いて満足し、実証に携わった人達を皆殺しにしては
「これを知るは唯一ひとり、何も恐れることなど無い」などと、信じているのではないか?
じゃなきゃ、こんなこと、出来っこないでしょう。
戻る 編 削 Point(1)