「ラフ・テフ」番外編 ゆっこのキリン(プリントアウト用)/オダ カズヒコ
っこは ぼくの額を軽く小突く
彼女はベットの上にある
受話器を取り上げて
フロントへダイヤルをまわす
「すいません!アフリカのサバンナから
5匹もキリンがこの部屋に逃げ込んでいますっ
どうか・・・今すぐ・・」
すっぴんのゆっこの唇にぼくは指をさし伸ばし
唇を押し開け 人差し指でそれ以上しゃべれぬように
彼女の舌をギュッと押さえ込む
それからふたりは背筋と首をギュッといっぱいに伸ばして
とても高い木の上の 赤い実でもついばむようにして
抱き合った
「いま キリン居る?」
そう言ったゆっこの髪が ぼくの頬にさらりと触れて
胸ん中のとても堅いとこに
ドンドンって何度も 何度も
サバンナを駆けるキリンの蹄みたいに
土くれを蹴っ飛ばしてくる
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