はちみつ/
猫の耳
蜂蜜のような
とろりとした甘い眠りに
落ちる瞬間を感じたい
そう願いながら
毎夜布団に潜り込む
眠りの淵でゆうらゆうら
もう少しで
あと少しで
手が届きそう…なのに
まるで暗幕が
落ちてくるかのごとく
すとんと
眠りに溶けてしまう
そしていきなり朝が来る
目覚めてがっかり
いつだって
一番欲しいものは
手に入らない
手に入らないから
余計に欲しい
そしてまた
蜂蜜の甘さを求めて
今夜も布団に潜り込む
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