庭めぐる庭/
木立 悟
れないのか
何故 扉をあけることができないのか
次の次の季節が訪れ
午後は午後にそそがれてゆく
川へつづく石の径
ひとつひとつが夜の芽の径
冷たすぎる手に手を重ね
はらわたの声を聴いている
喉になることのできなかった
永い歩みを聴いている
裏庭へつづくはざまに羽はひしめき
陽のかけらに消えてゆく
扉の前の 名の無い群れ
花に
水の無い目に耳を傾ける
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