庭めぐる庭/木立 悟
こがねいろの扉が
花にふさがれている
ここは何処なのかと
首をかしげている
くゆる くゆる
くゆ るく ゆる
白湯のなかを
ゆるく ゆるく
午後は廻る
雨のあとの中庭に
光の素性の異なるものが立っていて
羽を付けたり離したりしながら
水の無い目で話しかけてくる
花になれませんでした
葉や茎や枝や根
誰も見てくれない
触れるものもない
八本の首が
艮の方を向いている
ずっと朝のままの昼が
名を呼ばれないまま午後にこぼれる
いとおしいのに
近寄れない
何が何を分けているのか
何故 花の首を除けられな
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