夏の終わり/葉leaf
 



吹く風に涼しさが混じり、蝉の死骸は夥しく落ちた。夏はまさに終わろうとしていた。だが今年の夏はただの夏ではなかった。私は勤めている会社を辞めるかどうかの瀬戸際に立たされ、自らあれこれ相談や交渉に赴いたり、上司たちに動いていただいたりと何かとせわしく、気持ちの落ち着く暇がなかった。そして夏が終わる頃になって、ようやく首がつながることが確定したのだった。夏の終わりは宴の終わりだった。自然界の宴の終わりでもあれば、私のトラブルという宴の終わりでもあった。
私の背後で一つの扉が閉まっていった。この扉は二つの側面を兼ね備えている。見た目は太古の深く苔むした自然と一体となったような扉である。だがそ
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