譫言/kaz.
 
つかみ取って、かぶりつき、噛みあとからはヨーグルトのような香りがしますので、この地下水道は果たして、小説のために用意された舞台というよりかは、モモン、モモンと木の実を炸裂させるためにあると言ってよいでしょう。そうとわかれば、ラグラージも轟々と吠えまして、辺り一面に浮かぶ木の実を炸裂させていくわけです。それぞれの木の実が、思い思いに不思議な音を立てます。ラブタ、ラブタ、カムラ、カムラ、ドリ、ドリ、そして、僕とラグラージとでそれをよく飲み干しまして、たちまちカムラ、カムラと俊敏になり、勢いをつけて天井を突き破って濁流を越え、するとそこからナゾ、ナゾ、と炸裂して、サン、サン、と太陽に映える背中を越え、す
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