並四日記 3号至福の時を過ごす/あおば
 


群がる (父のことを記す)
       150729

軍事政権を倒せ!
威勢のいい声を腹の中に納め
今日も訓練に精を出す
一家に一人は義務
2人ならばなお良し
3人ならば尚更良し
どこまで続くカーキ色の靴音が
寝耳に響く、開戦前夜
1キログラムのビーフテーキに齧り付く
ノルマンディー上陸前夜の米兵の群れ
当方は一切関知しませんと
日の丸弁当を誇らしげに拡げる
我が軍勝利を疑わない神国の兵卒群れが
3人ならば尚更良しの子供らの群れが
芋の尻尾をかじる戦争孤児の運命を
イメージできたとは思えない
私の親父は、帝都の守りで横須賀に居て
武装解除後の復
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