並四日記 3号至福の時を過ごす/あおば
 
どこに配属されるかは偶然ではなく、かなり恣意的に配属が決められていたようで
必ず戦死する部隊に送り込まれ、気に入らない人物を合法的に死の粛清したのだと
ある人物は悔しそうに語る。
父は、なんの後ろ盾のない一兵卒だが、終戦時に腹いっぱい食えた部隊に居たのは
幸運と言おうか、それとも前世の行いが良かったのか分りません
陸続と続く軍靴の音を聞きながら
羊が一匹、二匹と数えながら今夜も眠る
ぐんぐんと揚がる積乱雲
威張り散らして後には
涙を集めて雹を降らしたりする
酷暑の夏には哀しい思い出も多くて
八月の声を聞くと
少し憂鬱になる習慣が出来たようだ
群れなす大軍に、蹂躙される夢
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