もとかれもとかのに捧げる散文詩/梅昆布茶
どかな秋の麓に
ピクニックのシートをひろげる
かつて小市民的と評されたパパでも
じゅうぶんいいのではないかとおもうのだ
ただし
陽光も季節も公平に巡ってくるものだが
それを享受できない生命もあることを
そういった仲間がいることも忘れないで
渋谷の道玄坂あたりに
もとかれもとかのフリーマーケットが
出店されるそうだが
もちろんもとかれもとかのが売りに出される訳ではない
おもいでの品を想いを一筆添えてそれぞれの値段をつけて
それを買う客との交流も可能だそうだ
ぼくらはいくども季節や時間や恋人を捨てなければならない
ぼくらは限られた時間の鏡の反射のあいだに光年をいきる
そのあとは絶対零度のせかいの塵となってさいせいするのだろう
ぼくらは協同で生命のうたをうたいつづけて死滅して
また甦ってそれを永遠にくりかえす魂なのかもしれない
https://youtu.be/W03HlXkuokc
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