一円玉/
flame
見捨てられて、早5時間がたっちゃった。
あれだけ暖かかったのに、コンクリの上に放置されて冷えちゃった。
見つめても、鳴いても誰も気にしない。
挙句の果てにはコンクリに噛みつかれ、
自慢の雪肌は傷だらけ。
誰も見てくれないし、気にもかけてもくれない。
私を見て。誰か私を拾って暖めて。
負った傷は癒えないけど、きっとあなたのために役立つから。
誰かが振り向いた。
そして、
わたしはあなたに拾われた。
ありがとう。
戻る
編
削
Point
(1)