AN ORANGE COLOR BAG/梼瀬チカ
ている
オレンジ色のバッグのマチが広かったので
つい、覗き込んでいるうちに
頭もすっぽり入っていた
底を見ようと頭を突っ込むうちに
私はオレンジ色のバッグの中に落ちていた
真っ暗で
何故か夜空のように
上を見ると
開け口がぽっかり開いている以外は
星がまたたいている
辺りを見回すと
オレンジ色のバッグをかけた
老若男女がうじゃうじゃと
通行しているのだ
「一体ここはどうなっているんですか・」
私が一人の老女に尋ねると
「そりゃあ、あんたが欲しがったことだ。」
老女は言う
「欲しがったって何を?」
「オレンジ色のバッグの事さね。」
何がなんだかさっぱり解らな
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