雨があがる/opus
 
ただの笑いなど一瞬のことで
世の中には意味がいる
一部でも何でも
寄り添った意味が

意味はその人々の社会的な位置や
その場の環境によって
価値を変える
例えば悲しい時は慰めの言葉が価値を成すが
嬉しい時には戯言に過ぎない

雨があがって
アスファルトの匂いが立ち込める
夕景に
ボンヤリと虹が浮かび上がる
家から飛び出た水色の縞模様の
パジャマを着た老人が
柵に寄り掛かって
その虹を眺める
少し離れた所に
赤い靴を履いた小学生の女の子が
その虹を見ている
ふと目を見合わせる
老人はニッコリと笑う
女の子もニッコリと笑う
段々と虹が近づいて来て
2人を呑み込んだ

2人は今、虹の中で仲良く
手を繋ぎ
ニッコリと笑っている

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