淀川長治に憧れて(1)/末下りょう
手法的説明の手触りは現代中国社会の底流をマッピングするようなフィルムノワール。中国による中国の(異化)。多層的ファムファタル。ながまわしの緊張感とフェイント的カットのリアリズム、迷宮的カメラワーク、冷たく無関心なトーンコントラスト、暗示的な照明操作、点在するオフビートなギャグ、ミニマルな台詞、大胆な省略のメタファー、 演出的にいちばん凄いと思ったのは(キャストがダメな演技を誰一人としてやらかさない恐ろしさ)。そしてなにより大事なファクターは台湾の女優、ヒロインのグイ.ルンメイの美しさ。死ぬほど美しいっす。これが鑑賞の動機。正直、彼女を観るだけでも観る価値アリ。
物語の骨格は簡単にまとめちゃえ
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