モウモクちゃん感傷/初谷むい
その程度のものなんだよ、図書館でミント味のコーヒーどくどく、血液みたいね、こぼしながら、単なる五億としての私をみんみんとあの人の言葉が引き伸ばしている。本当に本当に、いらなかったんです、
(館内放送)
よく晴れた日の脱毛、それで価値が倍増するよ、女の子だから、そうじゃなけりゃ、死ぬしか、ありません。
終わり。
五億のうち三億くらいはあの人の前で死んでいるね、恋は罪悪って、かっこいいけどだっせえから座右の銘みたいに使ってるけど、合ってる?三億は世界のかたちを知らずに震える脳細胞。ああ息をするたびぽろぽろびちゃびちゃわたしが漏れている。本当のことなど、知らなくていいし知りたくな
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