置いてけぼり。/
梓ゆい
(食べかけのマドレーヌが、道端に落ちている。)
返信の無いメールとSNSに並ぶ数枚の写真。
私の存在は、何処かに追いやられ視界にも入らなくなった。
「元々、何処にも居なかった。」と
今改めて思う。
(大事にしていたはずの本が、何処かへ行ってしまった。)
「名前を呼ばれない。」という現実を見せ付けているかの様に・・・・。
その事に気が付いたとき
私は黙って
パソコンの電源を落とす。
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