月を追いかけていた/ユッカ
見てご覧
卵みたいな月だよ
見てご覧
オバケみたいに真っ赤な月だね
ちゃんと 見て
あっ 見えなくなった
もう せっかく綺麗なのに
高校時代 母が迎えにきてくれる車の中で
毎日 泣きました
クラスに馴染めず
部活では重い役目をおわされ
自分を好きだと言うひとのことは
みんな嫌いでした
わたしは一日の終わりにさえ
明日の予感に耐えきれず
片道30分もかけて
車を運転してきてくれる母に
毎日 悪口ばかりわめいていました
わたしが
「みんな頭が悪いんだ」と言えば
母は「林檎畑の花がまだ咲かないね」と言い
「どうしてあたしばっかりつらいの」と言え
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