択ぶ/野澤 尚也
 
選択は
すべて
最良のものだ
その中で
耐えて受け流して
喜んで
生きる
根を下ろすだけだ


会いに行きたい
人と
つきあおう
それが
いいじゃないか

会いたいけれど
会いには行けない
人とも
つきあおう


自分の 孤独に
気づいても
人生は続いていたから
あなたを
迷わせたりはしない


大地も
空も
広いし


すべて
最良のものだ
その中で
耐えて受け流して
自分から
喜んで
生きる



ぼくは
ようやく荷物を下ろし終える


長年我侭に苦闘をしかけ続けたって何も変わらない
本性を抱えている
ぼくを
あなたを
分つかもしれない地平に 立って
うすぐもりの上空を眺めている
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