利根川/竹森
 
裸足になれよと言うような
大小さまざまな丸石ばかり
いつのまにか
川の水に足をひたしている子供たち
見知らぬ彼らを
私の子供にしてもみる

十二月の川辺にはススキが生い茂っています
この本の活字から影は伸びませんが
輪郭を持たない黄色いワタからも影は伸びていくのですね
その裏に子供たちが隠れていきます
いつのまにか
子供は風と入れ替わり
ひゅうと鳴る音を沈黙と名付けてみたくもなるのです
夕暮れるまでにはまだ少し時間があるようです
丸石を覆い隠す黄色いワタ雲
空がその色に似ていきます
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