流骨/凍月
、何か記念が欲しかった
だから僕は拾ったんだ
骨みたいな流木を
一つの発想に至りついて
小さな満足を得て
ああ、残るものもあるんだな
って
ああ、なんて−−
−−下らない
折った。
真っ二つに。
馬鹿みたいに気の抜けた音がした
踏み砕いた
冷めたまま躊躇なく
何度も何度も
残骸を下水よりも澱んだ汽水域に捨てた
はは
笑っちゃうよね
なんでわすれていたんだろう?
残るもの?
ある訳がない
灰が残ったとして何になる?
僕は木じゃないんだ
骨も残らない
だからせめてもの慰めに
精一杯の抵抗として
流木みたいに残るものがあるとすれば
きっと骨じゃないと思ってるから
いつの日か
残る価値のある何かを創り出せるように
本当は
それすら消えると分かっていても
それでも僕は
こうやって詩を書いてるんじゃないか
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