夜に青く/ひさし
 
  ドアを開け
  右足から宇宙へ

  夜に青く消える

  帰る場所なんて
  なくなってもかまわない
  そんな気持ちで消える


  知らないどこかにたどり着いたら
  仰向けになって夜空をながめようか
  あきたら
  散歩に出かけようか
  そのまま寝てしまおうか

  何百年も
  何千年も
  何億年も

  キミのことを考えながら
  化石になれるなら
  それも悪くない


  月が出ているといい
  最後に目をつむる時
  触れると切れそうな三日月が
  冴え冴えと輝いているといい


  ドアを開け
  右足から宇宙へ


  夜は青く待っている




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