エアー・コン (即興ゴルコンダより)/ハァモニィベル
子どもの頃。よくそれをやった。小学校三年だったか四年だったか覚えていないが、とにかく、その頃。
ぼくらは、その変わった遊びに熱中した。とにかく、ありふれたごっこ遊びではなかった。
その夏のある日。ぼくらは、公園でやはりそれに熱中していた。それは、凶悪犯を護送する遊びだ。
ニコラス・ポーというのがぼくの名前で、ぼくは軍を除隊したばかりだった。いちばんの仲良しだった、
近所のクボタくんが、酒場で妻にからむ酔っ払いの役をするところからその遊びは始まる。ぼくの妻は、
学年一のマドンナ、ユカリちゃんだった。だから熱の入ったぼくは、思いの外クボタくんを強めに蹴ってしまった。
こうして、うっかり
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