フランキー/坂之上放肆
の連鎖、スパイラル、パラレルパラソル
雨の如くボクの頭上をどんどん囲み覆い尽くす
そういえば
まだ痩せていた時に
自宅から海の方へと
自転車をボクは走らせて
海が近くなると多くなる運河にかかる橋の
上を吹き抜ける潮風に気持ちが救われたような
身体中がバラバラになって内臓もすべて放り出されて
自分が消えて無くなるような解放感を感じたけれども
やがて必然的に着いた海岸には多数の人を歩ませ
磯遊びの子供が走り回り
恋人が恋を絡ませ
友達同士が友情を弾ませる
ボクは消えてない
簡単には消えない
此等の幸福を
ボクは鑑賞しつづけなければならない
だからボクは死なないのだ
人々の普通という幸福を見て
人の幸福を見て
ずっと見て
つらくとも
生きて
苦しんで
裏切り
裏切られ
腐乱して
それでも
生きていき
生きて
生きて生きて
生きて
いく
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