手のひら/
あおい満月
ンブル交差点には、
能面をまとった青年たちが
足早に歩いていて、
そのなかに引きずりながら歩く
わたしがいて。
わたしの背中には
何本もの釘が刺さっている。
他の人間たちの背中も釘だらけだ
しかし、
血は流れていない。
(ご自身の内へお入りなさい)
それは多分、
皆自身の内側を探して
迷い込んで、
出口を探して、
釘だらけにしてしまったのだ。
(本当の内側とはなんですか)
風が駆け抜ける。
白い羽根がひらり
手のひらに舞い落ちる。
戻る
編
削
Point
(4)