同じ月/あおい満月
 
ゃぶりあった。

空白だけが残った。
誰かがいて、
誰もいない。
そんな記憶が、
脳裏に雪になって
こびりついた。

今は、
私は雲ひとつない
真夏の空を仰ぎ
笛を吹いている。
私の部屋には、
誰もいないが
あたたかな、
優しいぬくもりがある。
点滅する携帯電話。
会いたかったあの
白い腕が、
呼んでいる。

グラスを揺らすと楽園が見える。
きっとあの腕も、
同じ月を見ているだろう。
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