朦朧のJuly/ホロウ・シカエルボク
赤い火を見つめながら、暗い夜のことを思うだろう、濁流のような呑気な日常に飲み込まれ息も絶えだえ、そして訪れた僅かな休息の前の静かな真夜中には、騒がしい自分の心が聞こえるだろう…夜よ、俺を喰らうがいい、窓を開けて幾日かぶりに顔を見せた月を見上げる、そこから長い舌がさらいに来ないかと…俺は嘘を貼り付けた顔すら装えはしない、下卑た連中たちが俺を標的にして、控えめに仕掛けてくる…俺はそいつらをただただ哀れんでやるだけさ、そんなことでカタがつく人生なんてこれっぽっちも俺は送っては来なかった
生きようと思えばもっと生きられるはず、生きようと思えばもっと生きられ
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