律法/ただのみきや
 
真理を見たのです
燃えて輝く光を
そうして心は石と化し
硬く刻まれて死の使者となりました
冷たい墓石のセールスマンが
来世を高らかに謳うように


ある日ミミズが降ってきて
声のように踊りました
いみをむすんでまたといて
ねじれてゆれてさだまりません
シタイは熟れた土へとほどけました


いま 冷たい石版に頬を寄せて
目を瞑り未来に欹てます
石がいつか血肉に変わり
赤ちゃんのほっぺのように柔らかく
ことばは夢を見るのです




          《律法:2015年7月15日》






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